こっがら先さ行ってなんね

ここから先に行っていけないよ。

私の目を見て言った祖父。

沢沿いに、けもの道。山にはイノシシや熊も多く。

けもの道と交差する道路は車一台がやっと。

普段は使わず迂回でき、わざわざ通らなくてもいい道。

悪い孫は言いつけを破って通りたくなってしまいました。

なんとなく、どうしても。車だから大丈夫だろうと。

久しぶりに悪さを働いた、ある初夏の話。

ガタつく道を行くと、見たことのない花の群れ。

背丈に迫るほどの高さ、放射状に咲く無数の白い花。

曇り空の下、山の深い緑に浮かぶ泡のようでした。

現実かを確かめるために何度か瞬きをしました。

車の窓を開けて少しだけ見つめ、すぐ家路に。

短い時間がとても長く感じられたせいか、

感動は徐々に畏れへと変わり、鳥肌が。

おそろしく美しかった。そしてとても自由に見えた。

人の手のほぼ入らないであろう場所。

自然が、自然であったのです。

  • 制作年 / Year
    2022
  • 素材 / Materials
    紙、アクリル絵具
  • サイズ / Size
    472×565mm

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