作家ステートメント
自然や命の巡りを根源的な部分で描いています。
五感に基づき現実から抽出するノンフィクション作品です。
絵を学んだことはありません。
光、水、四季、命の連なりといった身近な自然が教えてくれました。
音もまた、私にとって色を持ちます。
個人の日常を抽出し生まれるものは、命という共通項によって自由に共鳴すると考えます。
その抽出の純度を高めるために、日々の表現と向き合っています。
近年は先に描いたモチーフをなぞるように、後から背景を塗り重ねます。
ふちどりを残すため二層目をずらしたり、ギリギリで色をとどめたり、対象と向き合いながらの制作。
わずかな絵具の層に、視覚・感覚的な奥行を見出だし、畏れや希望、有限性の尊さを確かめています。
どこにいても繋がっていく季節は頼もしく、いつもそばに。
終わりあるからこそ輝く命の鮮やかさと、静かな力強さ。
自由に感じていただけますように。