わたしたち

海へ向かいました。

恵みと畏れをもたらす存在が目の前に広がっています。

あてもなく波打ち際をなぞり、腰掛けた白い流木。後れ毛を揺らす風、左の頬には光が染み、潮騒は私がいないかのように過ぎていきます。

何もなく、すべてがあるという気持ちになりました。

海を前にしていると思っていましたが、海のそばに座っているのだと気づきました。対峙ではなく繋がる感覚。人間も自然の一部です。

そして自然は意図して美しさを生み出しません。

ただそれでしかなく、ひたすらそこにあるだけ。

芸術は人間の手によるものであり、自然を表現することはできても、自然そのものは芸術ではありません。

そう理解しつつ、根源として揺るぎない生命の温度を感じた瞬間を、沁みてゆく光や風とともに描きました。

  • 制作年 / Year
    2020
  • 素材 / Materials
    麻紙、アクリル絵具
  • サイズ / Size
    455×530mm

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