枯れない花は花ではない。
限りあるからこその輝き。
この観点から命の尊さに向き合うシリーズ3作目です。
永遠に生きられるなら、あらゆるものが色褪せる。
「花ではないもの」で枯れない花を描くこと、死を感じないことは、逆説的な生命讃歌でした。
今作ではより生死の入り混じった感覚を意識。
死というものは生きてこそ。
どこまでも、命のエネルギー。
前向きな絵です。
先にモチーフを描き、背景を後から塗っています。
2層目を1ミリほど外側にずらすことで、発光するようなふちどりを残しています。
完成後には見えなくなるところにも、モチーフを避けながら全体に色をのせます。
この絵では背景1層目の赤を、ふちどり部分だけではなく2層目の白の下すべてに塗っています。
見えない部分にも確かに存在していること、内包するものが立ち現れて目に映ることを描くための背景あと塗り。
時間も命もかかりますが、オリジナルの手法です。
モチーフと背景の間にわずかな凹凸が生まれるため、視覚・感覚的な奥行きへのアプローチでもあります。
目に映らない部分を大切にしたいという思いも込めています。
モチーフ以外の背景全体が赤い1層目の状態など、制作の経過をInstagramに掲載しております。
ぜひご覧ください。