近くにキジが住んでいます。
慣れてくれたのか、思いのほかそばに来てくれるようになりました。
勝手にケンさんと呼んでいます。
彼のおかげで、羽根の色が角度によって変化することを知りました。艶があり、ぬらりと色が変わるのです。
挨拶だけをして特に干渉しませんが、ふと見るとケンさんには一羽のパートナー。
ゆっくりと歩くその子を、少し離れたところから気にかけ見守るケンさん。しかもわざとらしくなく、さりげなく振り返っているのです。
キジは一般的に一夫多妻、他の群れを見ても確かにそうですが、いつ見てもケンさんのパートナーはその子ひとり。
キジ界のスタンダードよりも、己の道をゆくケンさんが清々しく見えました。
命の愛おしさと美しさに、静かな光が揺らいでいました。
生い茂る草木の中でパートナーを見守る姿を、自然のエネルギーとともに描いた一枚。
ケンさん、描かせてくれてありがとう。