抱えるほど豊かな山菜のワラビの束。
青々とした奥に、とてつもないエネルギー。
蠢く山の命の片鱗でした。
滋味深い繋がりは、静かなものにも思えました。
ワラビという季節の恵みの存在を通して感じた命の連なり、しなやかな力強さ。
溢れる生命力と自然の存在は、ただそこにある均衡。
命の構成として描いています。
【SHIBUYA AWARDS 2022 入選作品】
表現行為は命の可視化であり、感覚や事象の純度を高め抽出したものが抽象表現だと考えています。
目に映る形にとらわれず、その向こうまで感覚の手を伸ばそうと試みました。
背景をあとから塗ることで、大地のエネルギーから浮かび上がる具体的な抽象を目指しました。
距離感や対比を感じながら絵具を重ねていきます。
沈み、浮かぶ、内包された命です。
